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著書名
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四肢の形成機構
本書の特色
  1. 近年発展が著しく、また更に大きな発展が約束されている四肢の発生と再生の研究を、さまざまな面から取り上げて解説しました。大学院生から専門家までの幅広い読者に対応しております。
  2. 各分野の発展を、古典的な実験形態学的研究からタンパク質、遺伝子レベルまでの研究を詳細に紹介すると同時に、今後の問題点、発展方向を示しております。
  3. 執筆者はこの分野で活躍中の若手研究者を中心に構成され、執筆者自身の最新の研究成果も多く盛り込まれております。
編著者
井出 宏之 
東北大学 大学院生命科学研究科 教授 理博
執筆者 田 中 幹 子 オレゴン大学 研究員 理博
斉 藤 大 介 理化学研究所 発生・再生総合科学研究センター 研究員 理博
米 井 小百合 東北大学 大学院生命科学研究科 教務補佐員 理博
田 村 宏 治 東北大学 大学院生命科学研究科 助教授 理博
横 内 裕 二 熊本大学 発生医学研究センター 教授 理博
和 田 直 之 川崎医科大学 分子生物学 助手 理博
尾 身  実  コネティカット大学 研究員 理博
山 本 雅 和 名古屋大学 大学院理学研究科生命理学専攻 助手 理博
矢 嶋  浩  シカゴ大学 研究員 理博
遠 藤 哲 也 カリフォルニア大学 研究員 理博
横 山 仁 ワシントン大学 研究員 理博
体裁/価格 体 裁:B5判 360ページ
定 価:本体20,000円+税
発行日:2003年7月31日
発 行:アイピーシー出版部
コードNo. 937
発刊にあたり
 生物の形づくりの研究は、この20年ほどの間に大きく発展した。動物の四肢、いわゆる手足の発生の研究は、その中でも特に大きく発展した分野で、比較的少数の種類の細胞から手足という三次元的な複雑な形ができる過程で、さまざまな領域から分泌されるシグナル分子、それを受け取った細胞で起こる形態形成遺伝子の発現変化などが詳しくわかってきた。いずれも20年前にはどうやって解析したらよいかもかわからない状況にあったのがである。これらの分子機構の解明は他の器官の形成機構の解明に大きく役立つものである。

 さらに四肢の形づくりの研究は、ヒトの四肢の再生という魅力的なテーマを含んでいる。哺乳類の四肢の再生は殆んど起こらないが、イモリでは切断しただけで再生が起こり、またある発生段階のカエルでは、再生を誘導させることができる。これらは上記のテーマの解明に希望を与えるものである。

 このような四肢の発生・再生の研究をまとめた本は、日本語のものはもちろん無く、英語のものでも古く1980年に英国で出た本一冊のみである。しかもこの時期は発展以前である。

 現状までをまとめた本が必要と思っていたが、発展が速くてなかなか一段落がつかず、膨大な情報量から、個人での執筆は不可能な状況であった。しかし出版社からの勧めもあって、私たちの研究室に関係した方々に執筆をお願いしたところ、快諾をいただき、四肢の形づくりに関する殆んど全ての分野を入れた本を作ることができた。四肢の原基の形成と進化、さまざまな軸方向でのパターン形成の制御、軟骨分化、細胞死、筋肉形成、神経系形成、再生等について、古い実験から最新の分子機構の解明まで、重要な全ての研究を含んでおり、引用文献も豊富である。いずれの執筆者も、各分野を担ってきた、あるいは担いつつある若手の方である。

 四肢形成の研究を目指す理学・医学系の大学院生から専門家までの幅広い要求に見合うものと自負している。(井出)
目次
第1章◆四肢の原型−鰭−
 1. 1 化石が教えてくれたこと
 1. 2 四肢の起源
 1. 3 鰭から四肢への軌跡
 1. 4 ゼブラフィッシュの対鰭の発生
 1. 5 サメのボディープラン
第2章◆肢芽の誘導
 2. 1 はじめに
 2. 2 肢芽領域のspecification
  2. 2. 1 肢芽伸長前の肢芽領域の状態
  2. 2. 2 側板中胚葉のもつ肢芽形成能
  2. 2. 3 予定肢芽領域としての位置価を与えるHox遺伝子
  2. 2. 4 肢芽領域のHox code(位置価)を確立するための位置情報
 2. 3 肢芽伸長の開始
  2. 3. 1 肢芽の誘導に関わる組織間相互作用
  2. 3. 2 肢芽の誘導に関わる分子機構
 2. 4 前肢/後肢identityの誘導
  2. 4. 1 前肢/後肢のidentityの決定とその確立、それに関与する組織間相互作用
  2. 4. 2 前肢/後肢のidentity決定にはたらくTbx5/4とPitx1
  2. 4. 3 前肢/後肢のidentityの確立に関わる分子機構
第3章◆肢芽の発生と細胞増殖因子
 3. 1 はじめに
 3. 2 細胞増殖因子のはたらき
  3. 2. 1 細胞増殖因子の特徴
  3. 2. 2 レセプターと細胞応答
 3. 3 肢芽の発生に関わる細胞増殖因子群
  3. 3. 1 FGFファミリー
  3. 3. 2 TGF-βスーパーファミリー
  3. 3. 3 IGFファミリー
  3. 3. 4 EGFファミリー
  3. 3. 5 HGFファミリー
  3. 3. 6 PDGFファミリー
  3. 3. 7 VEGFファミリー
 3. 4 FGFシグナルと肢芽の発生
  3. 4. 1 肢芽の形成
  3. 4. 2 肢芽の伸長と上皮間充織相互作用
  3. 4. 3 軟骨形成とアポトーシス
  3. 4. 4 筋形成
  3. 4. 5 その他に肢芽に発現しているFGF分子たち
 3. 5 TGF-βスーパーファミリーと肢芽の発生
  3. 5. 1 肢芽の形成と伸長
  3. 5. 2 軟骨と関節の形成
  3. 5. 3 筋形成
  3. 5. 4 BMPシグナルの複雑な作用機構
 3. 6 その他の細胞増殖因子ファミリーと肢芽の発生
  3. 6. 1 IGFファミリーと肢芽の発生
  3. 6. 2 EGFファミリーと肢芽の発生
  3. 6. 3 HGFと肢芽の発生
  3. 6. 4 PDGFファミリーと肢芽の発生
  3. 6. 5 VEGFファミリーと肢芽の発生
 3. 7 おわりに
第4章◆前後軸に沿ったパターン形成
 4. 1 前後イに沿ったパターンとは何か?
 4. 2 自脚域の骨格パターンと前後軸
 4. 3 ZPAと前後軸形成
  4. 3. 1 実験形態学による研究とZPAの発見
  4. 3. 2 ZPA活性を担う分子の同定
  4. 3. 3 shhを中心とした前後軸パターン形成研究と成果
  4. 3. 4 おわりに
第5章◆背腹軸に沿ったパターン形成
 5. 1 予定肢芽域の背腹極性
 5. 2 肢芽の背腹極性
 5. 3 肢芽の背腹極性の形成に関する分子
第6章◆位置価としてのHox遺伝子
 6. 1 肢芽軟骨パターン形成とHox遺伝子群
  6. 1. 1 肢芽軟骨パターンは、軟骨原基の分枝分節的凝集過程とその後の位置特異的形態形成過程によって形成される。
  6. 1. 2 肢芽軟骨パターン形成に関する位置指定モデル
  6. 1. 3 脊椎動物の位置特異的形態形成を解く鍵となるHox遺伝子群
  6. 1. 4 Hox遺伝子群の肢芽発生過程における発現パターン
 6. 2 Hoxの肢芽軟骨形成における機能解析
  6. 2. 1 Hox遺伝子群の異所性発現誘導はホメオティック変異を誘起する。
  6. 2. 2 3’側のAbd-Bサブファミリーは近位側の肢芽軟骨形成に必要である。
  6. 2. 3 指軟骨形成はHox遺伝子群による複雑な制御を受けている。
  6. 2. 4 自然発生的突然変異体
  6. 2. 5 細胞レベルにおけるHoxの機能解析
  6. 2. 6 Hoxの標的遺伝子
 6. 3 肢芽におけるHoxの発現調節機構
  6. 3. 1 Hoxの発現制御は軟骨の正常パターン形成に必須である。
  6. 3. 2 Hoxd遺伝子群のローカルエンハンサーによる制御
  6. 3. 3 Hoxd遺伝子群のcolinear発現の形成機構
  6. 3. 4 遠位グローバルエンハンサーとしての指エンハンサー
  6. 3. 5 zeugopodエンハンサー
  6. 3. 6 今後の展開について
第7章◆初期軟骨分化とそのパターン形成
 7. 1 はじめに
 7. 2 間充織凝集
  7. 2. 1 軟骨分化と間充織凝集
  7. 2. 2 間充織凝集を促進する分子
 7. 3 軟骨(凝集)パターン形成
  7. 3. 1 凝集パターン形成を説明するモデル
  7. 3. 2 肢芽間充織細胞の接着性
  7. 3. 3 接着性を調節する分子
  7. 3. 4 領域特異的な接着性の意義
 7. 4 関節形成
  7. 4. 1 関節の初期発生
  7. 4. 2 関節形成部位を指定する機構
  7. 4. 3 関節で発現する分子とその機能
 7. 5 おわりに
第8章◆四肢形成と細胞死
 8. 1 はじめに
 8. 2 細胞死と肢芽形態形成
  8. 2. 1 肢芽におけるプログラム細胞死領域
  8. 2. 2 肢芽形成における細胞死の役割
 8. 3 細胞死の制御
  8. 3. 1 隣接組織からの作用
  8. 3. 2 分子機構
 8. 4 おわりに
第9章◆四肢筋形成のメカニズム
 9. 1 体節の区画化と四肢筋前駆細胞の指定
  9. 1. 1 体節形成をコントロールする組織間相互作用
 9. 2 四肢筋前駆細胞の肢芽への移動と筋芽細胞集団の形成
  9. 2. 1 皮筋節外側からの離脱
  9. 2. 2 移動
 9. 3 増殖と分化
  9. 3. 1 筋分化制御因子
  9. 3. 2 四肢におけるMyoDの発現制御に関わる因子
 9. 4 四肢筋パターニング
  9. 4. 1 周囲組織からの位置情報シグナル
  9. 4. 2 四肢筋形成細胞で自律的に働く因子
第10章◆四肢の神経支配
 10. 1 機能的な四肢とは?
 10. 2 四肢の運動を制御するニューロンの発生
  10. 2. 1 運動ニューロン
  10. 2. 2 介在ニューロン
  10. 2. 3 感覚ニューロン
 10. 3 神経-筋肉間の接続
  10. 3. 1 運動ニューロンのサブタイプと軸索経路
  10. 3. 2 カラムからプールへ
 10. 4 神経支配される筋肉
 10. 5 機能的な肢
 10. 6 おわりに
第11章◆四肢の再生T(再生芽形成)
 11. 1 はじめに
 11. 2 再生芽が形成されるまで
  11. 2. 1 創傷治癒
  11. 2. 2 脱分化
  11. 2. 3 細胞増殖
 11. 3 四肢再生における神経依存性
  11. 3. 1 除神経による再生の阻害
  11. 3. 2 神経が関与するプロセス
  11. 3. 3 神経因子の探索
 11. 4 再生の再構築 −過剰肢誘導実験から分かること−
  11. 4. 1 創傷と神経因子
  11. 4. 2 第3の要素としての位置価
  11. 4. 3 過剰肢誘導実験から分かること
 11. 5 再生芽形成におけるいくつかの疑問
  11. 5. 1 再生芽は未分化か
  11. 5. 2 幹細胞は四肢再生に関与しているか?
  11. 5. 3 他の動物種では再生芽は形成できるのか?
第12章◆四肢の再生U(再生におけるパターン形成)
 12. 1 序論
 12. 2 再生芽の伸長と基部先端部軸形成
  12. 2. 1 再生芽は自己組織化された形態形成の場である
  12. 2. 2 伸長に必要な上皮間充織相互作用
  12. 2. 3 再生における基部先端部軸形成
 12. 3 再生過程における前後軸および背腹軸形成
  12. 3. 1 前後軸形成
  12. 3. 2 背腹軸形成
 12. 4 極座標モデル
 12. 5 四肢再生能が失われる原因
  12. 5. 1 無尾両生類の場合
  12. 5. 2 高等脊椎動物の場合
  12. 5. 3 ヒトの四肢再生は可能か?
第13章◆四肢発生・再生の研究の歴史
 13. 1 四肢発生の研究の歴史
 13. 2 四肢再生の研究の歴史
 13. 3 日本における四肢発生・再生の研究の歴史
  13. 3. 1 はじめに
  13. 3. 2 1950年以前
  13. 3. 3 1980年まで
  13. 3. 4 1980年以降
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