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有機・無機ハイブリットと組織再生材料
− 組織再生材料の現状と開発の指針 −
本書の特色
  1. 現状の材料の紹介だけでなく、目標とする性能と照らし合わせて現在の材料の問題点を浮き彫りにします。
  2. 有機・無機ハイブリッドの具体的な特色を明確に示しています。
  3. 有機・無機ハイブリッドで何が可能になるかを明らかにしています。
  4. 今後の有機・無機ハイブリッドによる組織再生材料開発の指針となります。

本書の内容
  • ポリ乳酸とその誘導体を用いる組織再生材料
  • アルギン酸とその誘導体を用いる皮膚、神経、骨、血管の再生
  • 組織再生材料に用いられる遺伝子工学材料
  • ゾルーゲル法による有機・無機ハイブリッド材料の合成
  • バイオミメティック法による骨類似水酸アパタイト膜の形成
  • ポリマー表面へのダイアモンド、金属薄膜のコーティング
  • 有機・無機ハイブリッドを用いる骨接着材料
  • 有機・無機ハイブリッドを用いる骨修復材料
  • 自己組織化を利用する有機・無機ハイブリッド材料
  • ポリマー、セラミクス、金属上へ生体情報分子を固定化した材料を用いる細胞培養と生体親和性
  • 編・著者 谷原 正夫(奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 教授)
    執筆者
    (執筆順)
    谷原 正夫(奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 教授)
    山岡 哲二(京都工芸繊維大学 繊維学部 高分子学科)
    尾形 信一(奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科)
    大槻 主税(奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科)
    中條 善樹(京都大学 大学院工学研究科 高分子化学専攻 教授)
    生越 友樹(京都大学 大学院工学研究科 高分子化学専攻)
    宮崎 敏樹(奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科)
    中東 孝浩(日本アイ・ティ・エフ(株) 技術部)
    大串  始(独立行政法人 産業技術総合研究所 関西センター/ティッシュエンジニアリング研究センター)
    菊池 正紀(独立行政法人 物質・材料研究機構 生体材料研究センター)
    伊藤 嘉浩(徳島大学 工学部 生物工学科 教授)
    体裁/価格 体裁/B5判 294ページ 上製本
    定価/本体38,000円+税
    発行日/2002年2月1日
    コードNo. 918
    発刊にあたり
    本格的な高齢化社会を迎える21世紀の医療において、組織工学、再生工学による組織・臓器の再生・修復が重要な位置を占めることは間違いありません。これは、患部の除去あるいは温存を行う従来の医療に、再生という新しい選択肢を付け加えるものであり、かつ、高齢化社会における生活の質(QOL)の向上にも不可欠な技術であります。しかし、組織工学、再生工学の臓器の鋳型に用いる材料として、現在十分な性能を示すものはありません。
     一方で、有機化合物の柔軟性、機能性と無機化合物の強靱さや生体親和性を合わせ持つ有機・無機ハイブリッド材料の研究開発があらゆる分野で注目され始めています。生体材料においても、例えば骨組織は水酸アパタイトとコラーゲンから成る典型的な有機・無機ハイブリッド材料です。このように生体を一つの手本とすることで画期的な新材料開発の糸口となることが期待されます。
     そこで、本書では、組織再生材料に何が必要とされるか、有機-無機ハイブリッドにより何が期待できるのか、既にどのようなことがなされているかという観点から現状ををまとめ、今後の有機-無機ハイブリッドによる組織再生開発の指針となることを期待するものです。 (谷原)
    目次
    第1部 組織再生材料の現状
    【第1章】ポリαヒドロキシ酸とその誘導体を用いる組織再生材料(山岡)
    1.1 いろいろな生分解性材料
    1.2 ポリαヒドロキシ酸の医療用途
    1.4 細胞外マトリックス(ECM)
    1.5 ランダム共重合によるPLA・PGAの改質
     1.5.1 ランダム共重含体の性質
     1.5.2 共重合によるPLAへの官能基の導入
     1.5.3 バルク特性を維持したPLLAの表面修飾
    1.6 ブロック共重合体
     1.6.1 ブロック共重合体の合成
     1.6.2 ブロック共重合体ミセル
     1.6.3 マルチブロック共重合体の利用
     1.6.4 組織再生を支援するその他の要因
    1.7 有機無機ハイブリッドヘの展開
    【第2章】アルギン酸とその誘導体を用いる皮膚、神経、骨、血管の再生(谷原)
    2.1 人工細胞外マトリクス
     2.1.1 アルギン酸とは
     2.1.2 共有結合架橋アルギン酸ゲル
     2.1.3 生体内分解・吸収性
    2.2 皮膚の再生・修復
     2.2.1 動物を用いた創治癒性能評価
     2.2.2 皮膚再生促進材料の今後
    2.3 神経(軸索)再生
     2.3.1 アルギン酸AECMと軸索誘導材料
     2.3.2 末梢神経、脊髄神経の再生
    2.4 骨形成促進材料
     2.4.1 骨形成因子
     2.4.2 骨形成因子を結合したアルギン酸AECMの骨形成作用
    2.5 血管新生を促進する材料
     2.5.1 共有結合架橋ヘパリン/アルギン酸ゲル
     2.5.2 血管新生作用
    【第3章】組織再生材料に用いられる遺伝子工学材料(尾形)
    3.1 組織工学に使用される材料
     3.1.1 人工細胞外マトリックス
     3.1.2 人工細胞外マトリックスを用いた薬物送達システムの構築
    3.2 遺伝子工学と組織工学の関わり
     3.2.1 遺伝子工学とは
     3.2.2 組換えタンパク質として生産される細胞増殖因子
    3.3 遺伝子治療と組織工学
     3.3.1 遺伝子治療と組織工学の関わり
     3.3.2 遺伝子導入の方法
    3.4 ウイルスベクターによる遺伝子導入
     3.4.1 レトロウイルスベクター
     3.4.2 アデノウイルスベクター
     3.4.3 アデノ随伴ウイルスベクター
    第2部 なぜ有機−無機ハイブリッドか
    【第4章】有機−無機ハイブリッドの特色と問題点― セラミックスの特徴を利用した生体機能修復材料の設計 ―(大槻)
    4.1 ハイブリッドとは
    4.2 人工材料による生体機能の修復
     4.2.1 生体材料と骨の修復
     4.2.2 骨代替材科に求められる条件
    4.3 生体機能修復材料としてのセラミックスの特徴
     4.3.1 セラミックスの耐摩耗性を活かした関節材料への応用
     4.3.2 骨と結合する生体活性材料としてのセラミックス
     4.3.3 手術室で成形可能な人工骨
     4.3.4 薬理機能を付加したセラミックス
     4.3.5 癌治療のためのセラミックス
    4.4 セラミックスの特徴を活かした有機―無機ハイブリッドの設計
     4.4.1 生体活性な複合材料
     4.4.2 新しい設計概念の確立のための生体活性発現機構の解明
     4.4.3 カルシウムとシラノール基を用いた生体活性な有機−無機ハイブリッドの創製
    4.5 有機−無機ハイブリッドの課題
    【第5章】有機−無機ハイブリッド材料の可能性(生越・中條)
    5.1 ハイブリッド材料が発現する機能・特性
     5.1.1 優れた成膜性・表面コーティング材料
     5.1.2 熱安定性・機械的特性・ガス選択性材料
     5.1.3 ガスバリア性・難燃性材料
     5.1.4 耐溶剤性材料
     5.1.5 イオン伝導性固体電解質
     5.1.6 異種材料の接着剤
    5.2 細孔の制御された多孔質シリカ
    5.3 環境応答性有機−無機ポリマーハイブリッド
    5.4 シルセスキオキサンを利用した有機−無機ポリマーハイブリッド
    5.5 シルセスキオキサンを含んだ有機−無機ハイブリッドポリマー
    第3部 有機−無機ハイブリッドの現状
    【第6章】ゾル−ゲル法による有機−無機ハイブリッド材料の合成(生越・中條)
    6.1 水素結合を利用した有機−無機ポリマーハイブリッド
    6.2 天然資源を利用した有機−無機ポリマーハイブリッド
    6.3 反応性有機−無機ポリマーハイブリッド
    6.4 相溶化剤を利用した有機−無機ポリマーハイブリッド
    6.5 有機−無機間の相互作用を利用した有機−無機ポリマーハイブリッド
    6.6 In-Situ法による有機−無機ポリマーハイブリッド
    【第7章】バイオミメティック反応を利用した骨類似アパタイト膜の形成(宮崎・大槻)
    7.1 体液模倣溶液を用いた骨類似アパタイト膜の形成
    7.2 バイオミネラリゼーションを模倣するプロセス
    7.3 擬似体液(SBF)の組成とその調製方法
    7.4 擬似体液(SBF)中におけるアパタイト形成の原理
    7.5 アパタイトの核形成を誘導する官能基にはどのようなものがあるか
    7.6 金属表面におけるアパタイト膜形成
    7.7 高分子表面におけるアパタイト膜形成
    7.8 バイオミメティック法により形成されるアパタイト膜の組成と構造
    【第8章】ポリマー表面への金属薄膜、ダイヤモンド・ライク・カーボンのコーティング(中東)
    8.1 PVD法によるポリマー表面への金属薄膜のコーティング
    8.2 ポリマー表面へのダイヤモンド・ライク・カー
    第4部 有機−無機ハイブリッドを用いる組織再生材料
    【第9章】有機−無機ハイブリッドを用いる骨充填材(宮崎・大槻)
    9.1 人工骨固定用セメント
     9.1.1 PMMA系セメントへの生体活性付与技術の基礎概念
     9.1.2 アルコキシシランとカルシウム塩を用いた生体活性なPMMA系骨セメントの開発
    9.2 体内で硬化する骨充填材
    9.3 多孔質材料
     9.3.1 ガラスによる生体活性や生体吸収性の制御
     9.3.2 骨と結合し生体に吸収される多孔体
    【第10章】細胞が創る有機―無機ハイブリッド― 骨髄間葉系幹細胞とセラミックを用いた骨修復材料 ―(大串)
    10.1 新鮮骨髄細胞を用いたセラミック内での骨形成
     10.1.1 新鮮骨髄と種々人工骨との複合体による生体内での骨形成能
     10.1.2 同種、同系新鮮骨髄細胞の骨芽細胞への細胞分化
     10.1.3 新鮮骨髄とHAとの複合体による骨欠損修復
    10.2 培養骨髄細胞を用いた骨形成
     10.2.1 シャーレ上でのin vitro骨形成
     10.2.2 HA上でのin vitro骨形成とその生体内移植
     10.2.3 ヒト培養骨髄細胞による骨形成
     10.2.4 考  察
    10.3 Bone Morphogenetic Protein(BMP)を用いた骨形成
     10.3.1 BMP・HA複合体の骨形成能
    10.3.2 考  察
    【第11章】自己組織化を利用する有機−無機ハイブリッド材料(菊池)
    11.1 骨の中の自己組織化構造
    11.2 生体外におけるアパタイトとコラーゲンの自己組織化
    11.3 アパタイト/コラーゲン自己組織化複合体の生体反応
    11.4 アパタイト/コラーゲン自己組織化複合体の医学応用
    11.5 そのほかの自己組織化を利用した有機−無機ハイブリッド材料 
    ― 自己組織化を利用した有機−無機ハイブリッド 材料の現状と将来への課題 ―
    【第12章】再生医療のための生体分子ハイブリッド材料(伊藤)
    12.1 再生医療
    12.2 再生医療材料
    12.3 ハイブリッド材料
     12.3.1 糖質ハイブリッド化
     12.3.2 脂質の固定化
     12.3.3 核酸の固定化
     12.3.4 生体低分子固定化
     12.3.5 タンパク質の固定化
    12.4 細胞の高次機能制御のための生体情報分子固定化
    12.5 今後のハイブリッド材料開発
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