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放電法を用いた極超音速流中における流動現象の種々可視化と可視化例

極超音速流の可視化法:放電法

宇宙開発や高速輸送を推し進めるには不可欠!
見たい流れ付近に放電の発光現象を作り、瞬時に追跡するようにして流れ場を観測する単純な方法である。


放電法とは、極超音速流中の一部に電場を与えて放電現象を発生させ、与えた電場のエネルギーを光のエネルギーに変え、その発光現象を観測して、極超音速流中の流動現象を調べる手法である。本章書では、放電法を用いて極超音速流動現象を可視化、解明するために必要と思われる基礎的な事項について概略する。
主な内容
  1. 気体放電現象と実験装置(極超音速風洞)
  2. 衝撃波の可視化法と可視化例
  3. 流線の可視化法と可視化例
  4. (速度)境界層の可視化法
  5. 温度層の可視化法
  6. 衝撃波/衝撃波干渉、衝撃波/境界層干渉、渦、その他極超音速流中における複雑な流動現象の可視化
著 者

西尾 正富 (福山大学 工学部機械工学科 教授)
小竹 睦夫 (防衛大学校 航空宇宙工学科 助教授)

体 裁 B5判 156ページ
定 価 15,750円(本体価格:15,000円)
発刊日 2005年10月30日
発 行 アイピーシー 出版部
発刊に際して

 宇宙開発や高速輸送を推し進めるためには極超音速流体力学の発展は必要不可欠である。近年、コンピュータの発達に伴い、数値計算による極超音速流動現象に関する研究は非常に進んできた。しかし一方、実験的な手段による極超音速流動現象の解明はと言うと、コンピュータを用いた数値計算のそれに比べていささか送れていると言わざるを得ない。その原因の一つに、極超音速風洞実験が色いろな意味で困難をともなうことが多いからであろう。例えば実験室で極超音速流を作りだす装置を制作するには、相当な費用がかかる。さらに、製作費を比較的安価に抑えた極超音速風洞、例えばショックタンネルやガンタンネルなどにおいては、得られる極超音速気流の性能として多くの場合(流動現象を可視化計測するためには)、持続時間が極めて短い。気流の密度がかなり小さい、非常に高速である。などの可視化実験を行う上での種々の困難な条件に悩まされるのが現状である。
 このような現状の下、光学的手法としてのシュリーレンシステムの改良やホログラフィーの開発なども行われてきた。そして衝撃波を気流の側面から観測したり、さらに、定量的な密度分布が測定されてきた。
 本書で述べる放電法は、当初、このような衝撃波の形状を気流に対して任意の断面で観測する手段として考えられた。しかし、この研究を推し進めていく過程で、この放電法は単に衝撃波の三次元的形状のみでなく、上述した種々の実験上の制約、困難な問題があるにもかかわらず、本書に示していくように、極超音速の種々の流動現象を広範囲に渡って可視化することが可能であると判ってきた。
 この放電法が他の可視化技術と比較して、何よりも優れている点は、極超音速流の可視化に関しては、前述したように色々な可視化上の困難があるにも関わらず、簡単にその流れ場を、定量的にないしは定性的に表し得ることではないかと筆者は考えている。逆に、その単純さ故に、曖昧さがつきまとっている事に欠点を抱えているとも筆者は考えている。

目次
まえがき  
第1章 気体放電現象と実験装置(極超音速風洞)
 1.1 気体放電
 1.2 放電による発光
 1.3 放電発生回路
 1.4 過度電圧、過度電流の測定
 1.5 低密度気体中の放電形状
 1.6 極超音速流の発生装置(極超音速風洞)
第2章 衝撃波の可視化法と可視化例
 2.1 衝撃波の可視化法(Case I)の可視化原理
  2.1.1 Case Iにおける可視化技術の考察
  2.1.2 三次元衝撃波の可視化への応用
 2.2 衝撃波の可視化法(Case II)の可視化原理
  2.2.1 Case IIにおける三次元衝撃波の可視化
 2.3 実用上の衝撃波の可視化
第3章 極超音速流の可視化法と可視化法
 3.1 衝撃波を通過する流線の可視化法
  3.1.1 可視化原理と可視化例
  3.1.2 流線の可視化例と考察
 3.2 壁面近傍の流線の可視化法
  3.2.1 可視化原理
  3.2.2 流線の可視化例
 3.3 その他の放電法による極超音速流線の可視化法
  3.3.1 可視化原理
  3.3.2流線可視化法の応用
第4章 極超音速流中の(速度)境界層の可視化法
 4.1 境界層の可視化原理
 4.2 可視化法の応用と可視化例
第5章 極超音速流中の温度層の可視化法
 5.1 温度層の可視化原理
 5.2 可視化法の応用例
第6章 極超音速流中の衝撃波/衝撃波干渉、衝撃波/境界層干渉、渦、その他の複雑な流動現象の可視化例  
 6.1 対向する二枚の平板間における干渉場の可視化
 6.2 平板とフィンによる干渉場の可視化
  6.2.1 緒言
  6.2.2 実験装置
  6.2.3 流れ場の可視化実験
  6.2.4 不連続放電路(タイムライン)による渦領域の可視化
  6.3 極超音速飛行する宇宙往還機(TSTO)周りの干渉場の可視化
終わりに
 
参考文献 
 
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