| 「伝熱工学」は熱の流れを把握しこれを制御することを扱う学問である。熱そのものを対象とする発電プラント、化学プラントや冷凍空調機器はもちろんのこと、技術の高度化に伴って宇宙、電子機器、半導体、食品工業、ほかほとんどあらゆる産業分野でその知識が求められるようになってきている。本書は伝熱工学に関心を持つ、あるいは伝熱工学を業務上必要とする技術者のための入門書としてまとめたものであり、次の二点に配慮した。
@実用性の重視 そして Aわかり易さと親しみ易さの追求
@に対応しては、多くの入門書が取り上げていながら実用上の用途が限定されている非定常熱伝導、輻射熱伝達、物質伝達、などの項目は省略し、かわりに実用頻度の高い熱交換器について若干多めのページを割いた。また、現象は層流領域のみについて説明し、工業的に応用される乱流領域については実用計算式の提示にとどめた。この方針でも伝熱現象は充分理解することができると思う。そして、実用計算式を設計資料集から厳選して提示し、例題と演習問題によって実際の値を算出できる力が身に付くように配慮した。したがって本書は単に伝熱工学の入門書としてのみならず、簡単な熱計算ならば十分に対処できる設計便覧としても活用できる。
Aに対応しては、現象説明と例題・演習問題ではできる限り身の回りの事例をとりあげ、そしてほとんどの式の導出は初歩の微積分の知識さえあれば十分理解できる内容とした。
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