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流れによる不安定現象とその応用
本書の特色
本書の特色
  1. 流れによる不安定現象は自然現象の中に数多く見られるが、流体機械の中でも多発しており、これによって流体機械・システムは大きなダメージを受け、大事故になっている事が報告されている。しかし、流れによる不安定現象を取り扱っている著書は少ない。

  2. 本書で取り扱っている範囲は、振動問題を理解するための基礎知識(数学的基礎、流体力学の基礎)、管路の動特性、ポペット弁の自動振動、自励振動現象の応用、送風機の不安定現象、空気軸受の自励振動、加熱による管路の自励振動など広範囲に及んでいる。

  3. 記述の形式は問題の焦点を明確にするために例題形式を取り、ステップを踏みながら問題を解決する手法を取っている。

  4. 大学初年級の知識があれば、本書の内容を本書のみで完全に理解できるように重複をいとわず、図を多用して詳細に説明している。

  5. 学部上級生から大学院生および一般研究者・技術者が興味が持てるように心がけた。

  6. 本書で取り扱ったテーマの大半は著者の研究成果である。

著者 前田照行 (前 成蹊大学工学部教授)
体裁/価格 体 裁:B5判 370ページ(上製本)
定 価:本体12,000円+税
発行日:2002年8月21日
発 行:アイピーシー出版部
コードNo. 926
発刊にあたり
 風の流れ、水の流れ、水道管内の流れ等、われわれは身近に流れに遭遇している。一方、われわれは多くの流体機械において、流れに起因するトラブルを体験するか、または耳にしている。流れによる流体力には、静的な流体力と動的な流体力がある。静的な流体力は常識的に理解し、対策を考え出す事は用意であるが、動的な流体力はその理解が難しい。さらに、流れによって不安定になった流体機械やシステムの理解はさらに難しい。
 本書は、著者の専門分野(油圧工学)を中心に、流れによる不安定現象とその応用について解説したものである。一般に、不安定現象は忌み嫌われ、これが起きないように対策が講じられるものであるが、著者は一貫して、不安定現象を逆に積極的に利用して、有用な機器を作り出す事を続けてきた。またこれらの研究によりいくつかの特許も取得した。本書では、その考え方などについて述べている。本書を通して、現象の注意深い観察と分析の大切さを読者に読み取って頂ければと願っている。
目次
第1章 数学的基礎
1.1 三角関数
1.2 双曲線関数
1.3 三角関数と双曲線関数の関係
1.4 微分・積分の順序の交換
1.5 二重積分
1.6 線積分と面積分の関係
1.7 正則関数
1.8 コーシーの定理
1.9 留数
1.10 コーシーの積分表示
1.11 グルサーの定理
1.12 テーラー展開・マクローリン展開
1.13 ローラン展開
1.14 行列および行列式
1.15 ラプラス変換
1.16 ベクトル
  1.16-1 ベクトルの内積と外積
  1.16-2 直線と平面の方程式
  1.16-3 ベクトル微分
  1.16-4 勾配・発散・回転
  1.16-5 ∇を含んだ諸公式
  1.16-6 ベクトル積分
  1.16-7 積分定理
1.17 ヤコビ行列式
1.18 数値計算法
  1.18-1 シンプソンの積分公式
  1.18-2 オイラー法
  1.18-3 修正オイラー法
  1.18-4 ルンゲ・クッタ法
  1.18-5 連立微分方程式
1.19 2階微分方程式
  1.19-1 調和振動方程式
  1.19-2 発散方程式
  1.19-3 定係数同次微分方程式
  1.19-4 拡散方程式
  1.19-5 熱方程式
  1.19-6 波動方程式
第2章 制御工学の基礎
2.1 伝達関数
2.2 特性方程式と固有値
2.3 安定判別
  2.3-1 特性方程式の根による判別
  2.3-2 Routh-Hurwitzの安定判別
  2.3-3 Nyquistの安定判別
第3章 流体力学の基礎
3.1 流線
3.2 連続の式(2次元流れ)
3.3 理想流体の運動方程式
3.4 ベルヌーイの式
3.5 コリオリの力
3.6 連続の式
3.7 ナビエ・ストークスの式
3.8 検査体積法の手法
  3.8-1 質量保存の法則
  3.8-2 運動量の定理
3.9 相似則
  3.9-1π定理
3.10 圧縮性流体の基礎
  3.10-1 体積弾性率
  3.10-2 体膨張率
  3.10-3 完全気体の状態方程式
  3.10-4 内部エネルギー
  3.10-5 エントロピー
  3.10-6 音速とマッハ数
  3.10-7 エネルギー式
  3.10-8 よどみ点状態
  3.10-9 臨界状態
  3.10-10 質量流量
  3.10-11 一次元定常等エントロピー
  3.10-12 先細ノズルの流れ
  3.10-13 中細ノズル(先細末広ノズル)の流れ
3.11 絞り、すき間の流れ
  3.11-1 絞り
  3.11-2 チョーク絞り
  3.11-3 平行2平板間の流れ
  3.11-4 環状すき間の流れ
  3.11-5 平行円板間の流れ
第4章 管路の動特性
4.1 波動方程式
  4.1-1 波動方程式の誘導
  4.1-2 弦の振動
4.2 波動方程式の解
  4.2-1 波動方程式の解
  4.2-2 境界条件と波動
  4.2-3 異径点における圧力波
4.3 摩擦損失がある場合の円管内の波動
4.4 管路と要素の関係
  4.4-1 要素が容量の場合
  4.4-2 要素が慣性の場合
  4.4-3 要素が抵抗の場合
4.5 管路とスプール弁の共鳴
第5章 ポペット弁の不安定現象
5.1 はじめに
5.2 自励振動
5.3 ポペット弁の横振動
  5.3-1 横力の成分
  5.3-2 ポペット弁に作用する横力および各成分の大きさの比較
  5.3-3 ポペット弁の運動方程式と安定条件
  5.3-4 ポペット弁の安定限界と横振動数
5.4 ポペット弁の形状と噴流が弁の安定性に及ぼす影響
  5.4-1フローパタンの可視化実験
  5.4-2 実験結果および考察
5.5 2質量系ポペット弁の安定問題
  5.5-1 はじめに
  5.5-2 2質量系ポペット弁
5.6 実用化可能な2質量系ポペット弁
  5.6-1 はじめに
  5.6-2 ピストン型ポペット弁(1質量系)
  5.6-3 2質量系ピストン型ポペット弁
第6章 油圧発振器
6.1 はじめに
6.2 油圧発振器の開発
6.3 油圧発振器の理論
  6.3-1 理論解析
  6.3-2 解析による方法
  6.3-3 級数解による方法
  6.3-4 アナログ計算機による方法
第7章 超高速ターボ・モータ
7.1 はじめに
7.2 ターボ・モータの原理
7.3 ターボ・モータの運動方程式
7.4 ターボ・モータの応答
7.5 ターボ・モータの実験
第8章 ブレーキ弁の鳴き
8.1 はじめに
8.2 ブレーキ弁の構造およびその特性
8.3 ブレーキ弁の実験
  8.3-1 実車におけるブレーキ弁の特性
  8.3-2 試験台によるブレーキ弁の動特性
8.4 ブレーキ弁の「鳴き」とその対策
第9章 サージング
9.1 サージング現象
9.2 サージングの運動方程式とその考察
  9.2-1 ポンプー配管系の運動方程式
  9.2-2 送風機―配管系の運動方程式
第10章 減衰長さに関する一考察
10.1 はじめに
10.2 作動油の圧縮性
10.3 スプール弁に作用する流体力
10.4 静的な流体力
10.5 動的な流体力
10.6 供給圧力と弁室圧力の関係
10.7 動的流体力の大きさ
  10.7-1 幾何学的減衰長さL1の寄与
  10.7-2 死水領域の寄与
第11章 静圧気体軸受
11.1 はじめに
11.2 気体軸受の基礎方程式
11.3 無限に長い軸受
11.4 静圧気体軸受の安定性
第12章 加熱による自励振動
12.1 沸騰チャンネル内の水力学的不安定
12.2 局所沸騰によって起こる自励振動
12.3 加熱による気柱の振動
  12.3-1 はじめに
  12.3-2 熱伝導の基礎方程式
  12.3-3 加熱による気柱の支配方程式
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