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CFDの基礎理論
本書の特色
  1. 流れ場の支配方程式を概観し、すぐに役立つCFDの基礎理論を、初心者にわかりやすく詳細かつ丁寧に解説している。
  2. 高速空気力学の近似解法については、最先端のスキームであるAUSMやSHUSの開発に至る考え方を詳しく述べている。
  3. 非圧縮流体の解法の基礎はプロジェクション法である。このプロジェクション法を速度場のHelmholtz-Hodge直交分解定理にもとづいて詳しく解説している。
  4. 気泡・液滴・水波等の自由界面を数値シミュレーションするのに必要な基礎事項を詳細に取り扱っている。
  5. 単結晶の成長問題やコールドクルーシブル等においては固液界面のシミュレーションが重要である。すなわち、凝固と融解の数学的なモデル化について詳しく解説している。
  6. 開放系の高温熱環境問題においては、流体の圧縮性を無視することができない。流体の圧力と圧縮性について詳しい議論を行っている。
  7. 有限要素法で高精度の上流化を行うには、高次の補間関数が必要である。CIP法やCIVA法で用いられる3次補間の形状関数について詳しく解説している。
  8. 電気工学の有限要素法でよく用いられるベクトル形状関数の作り方について詳しく述べている。
著者 棚橋 隆彦(慶應義塾大学理工学部 教授)
体裁/価格 B5判 550ページ 上製本
定価/本体40,000円+税
発行日/1999年10月30日
コードNo. 791
発刊にあたり
CFD(Computational Fluid Dynamics:計算流体力学)の技術革新は,その規模および深さにおいて,日進月歩に進んでいる。特に汎用性にすぐれた有限要素法による流れ解析技術の発展はすさまじい。すなわち,すでに差分法の分野で発達した計算技術を完成に有限要素法化し,さらに有限要素法の特長である複雑形状への対応および超並列計算機に適した大規模計算技術の開発が着実に進んでいる。
 本書CFDの基礎理論は,時間の経過と共にすぐに陳腐化するものでなく,時代を超越した普遍理論である。よって,第一線のスキーム開発者およびこれからCFDを学ぼうとする若手研究者には必須の知識である。現在のCFDは,非構造格子法による差分法と有限体積法と有限要素法の統合化,圧縮性流体と非圧縮性流体の統一解法および固体と液体の統一解法,さらには流れ場と温度場と電磁場の連成等,具体的な設計に役立つCADツールとして発展しつつある。よって,本書が現在CFDを研究している若手研究者の知識の整理として,またこれからCFDの研究を始めようとする第一線の技術者に少しでも役立てば幸いである。(棚橋 隆彦)
目次
第I部 上流化法
【第1章】流れ場の支配方程式
 まえがき
 [1] 流れ場の支配方程式
  A. 相互作用
  B. 連続体の力学における基本法則
  C. 定式化
  D. 流れ場の支配方程式
 [2] Euler表示による保存則の一般形
  A. 濃度・流束・発生速度
  B. Euler表示による保存則の一般形
  C. 保存方程式の誘導
  D. 生成密度がない場合の保存則
 [3] Lagrange表示による保存則の一般形
  A. 積分形の一般つり合い式
  B. 微分形の一般つり合い式
  C. 保存則
  D. ALE表示
 [4] 運動の方程式
  A. Eulerの方程式
  B. Bernoulliの定理
  C. Navier-Stokesの方程式
  D. うず度輸送拡散方程式
  E. 圧縮性流体のシステム方程式
  F. 圧力に関する方程式
 第1章のまとめ
【第2章】 高速空気力学の上流化
 まえがき
 [1] 移流方程式
  A. 線形と非線形
  B. 保存形と非保存形
  C. 準線形システム方程式
  D. 保存形
 [2] 理想気体の1次元運動方程式
  A. 1次元の気体力学
  B. 保存変数
  C. 原始変数
 [3] Riemann問題の基礎
  A. 1方向波
  B. 2方向波
  C. 3方向波
  D. m方向波
 [4] データの再構築と近似Riemann解法
  A. 保存形の積分表示とGodunov法
  B. Godunov法とMUSCL法
  C. データの再構築法
  D. 近似Riemann解法(I)
  E. 近似Riemann解法(II)
 第2章のまとめ
【第3章】非圧縮流体の上流化法
 まえがき
 [1] Dual Space法
  A. 差分法・有限体積法・有限要素法の比較
  B. 厳密解と数値流束
  C. 特殊関数の近似式
  D. 多次元への拡張
  E. テンソル粘性法
 [2] Semi-Lagrange法
  A. 移流方程式の厳密解
  B. Semi-Lagrange法
  C. 補間法
 [3] Multi-Scale法
  A. 有限要素法による定式化
  B. 多重スケール法
  C. 安定化有限要素法
 第3章のまとめ
【第4章】プロジェクション法
 まえがき
 [1] 非圧縮性流体の基礎方程式
  A. 支配方程式
  B. 圧力に関するPoisson方程式
  C. 圧力のPoisson方程式の境界条件
  D. 固体表面での圧力境界条件
 [2] 速度場の完全分解
  A. Helmholzの表示定理
  B. Poisson方程式とその解
  C. 速度場の完全分解表示
 [3] Helmholz-Hodgeの直交分解定理
  A. 直交射影演算子
  B. Helmholz-Hodgeの直交分解定理
  C. Pythagorasの定理
  D. Navier-Stokes方程式の直交分解
 [4] 非圧縮流体の解法
  A. SMAC法
  B. 分離解法(陰的FS法)
 第4章のまとめ
第II部 界面現象
【第5章】自由界面のダイナミックス
 まえがき
 [1] 不連続面とjump条件
  A. jump恒等式
  B. jump条件式
  C. 自由界面上のjump条件式
 [2] 曲面の幾何学
  A. 曲面上の基底ベクトルと二次元性
  B. 勾配ベクトルの分解
  C. 曲率テンソル
  D. Gauss平均曲率
  E. 表面発散の定理
 [3] 界面の流体力学
  A. 応力ベクトルの表示
  B. 応力ベクトルのjump条件
  C. エンストロフィの輸送方程式
  D. うず度発生流束
  E. うず層の輸送方程式
 第5章のまとめ
【第6章】レベル集合法
 まえがき
 [1] 界面張力
  A. 界面張力のベクトル表示
  B. 界面張力の応力テンソル表示
  C. 有限体積での界面張力
  D. 応力ベクトルのjump条件
 [2] 自由界面とレベル集合法
  A. レベル集合法
  B. レベル集合関数
  C. 自由界面の運動学的条件
  D. 自由界面の曲率
  E. 距離関数
 [3] 自由界面の運動
  A. 方向微分
  B. レベル曲線の運動
  C. 距離関数の運動
  D. 界面速度が曲率の関数の場合
 [4] 自由界面のスムージング
  A. 近似超関数
  B. 密度と粘度のスムージング
  C. 運動方程式のスムージング
 第6章のまとめ
【第7章】磁性流体の界面現象
 まえがき
 [1] 応力テンソルと電磁圧力
  A. 電磁場中の応力テンソル
  B. 電磁圧力の分解
  C. 圧力の合成
  D. 電磁流体に対するBernoulliの定理
 [2] 自由界面の境界条件
  A. 表面張力ベクトルの表示
  B. 表面発散定理
  C. 跳躍量条件式の具体的表示
  D. Gaussの平均曲率
 [3] 静止磁性流体の界面条件
  A. 磁性流体の自由界面
  B. 磁性流体の界面張力
 [4] 磁性流体中の物体に働く力
  A. 磁場が作用していない場合
  B. 磁場が作用している場合
  C. 非磁性体の場合
  D. 見かけの密度と見かけの重力
 第7章のまとめ
【第8章】凝固と溶解
 まえがき
 [1] 凝固・融解の概要
  A. 凝固・融解の基礎方程式
  B. 無次元数
  C. 方程式の無次元化
 [2] 凝固・融解の詳細
  A. 相変化の熱力学
  B. Gibbs-Thomson条件
  C. Stefan条件
 [3] 自由界面
  A. 自由界面の運動方程式
  B. Young-Laplaceの方程式
  C. Marangoni数
 第8章のまとめ
第III部 無次元数と形状関数
【第9章】流体の圧力と圧縮性
 まえがき
 [1] 圧力に関する方程式
  A. 圧力方程式
  B. 圧力のPoisson方程式
  C. 圧力の移流方程式
  D. 圧力の波動方程式
 [2] 圧力の時間発展方程式
  A. 微分形の状態方程式
  B. 圧力の移流方程式
  C. 速度の発散
  D. 圧力のPoisson方程式
 [3] 自然対流
  A. 厳密な基礎方程式
  B. Boussinesq近似
  C. 連続の方程式の密度変化を考慮する近似
  D. 低Mach数近似
  E. 非圧縮・圧縮分離解法
 第9章のまとめ
【第10章】相似則と無次元数
 まえがき
 [1] 支配方程式と無次元数
  A. 運動の方程式
  B. 移流拡散方程式
  C. エネルギー方程式
  D. 電磁熱流体の方程式
  E. 回転場の運動方程式
 [2] その他の無次元数
  A. 自由表面に現れる無次元数
  B. 境界面に現れる無次元数
  C. 波動と無次元数
  D. 気泡や液滴に現れる無次元数
  E. その他の無次元数
 第10章のまとめ
【第11章】3次補間の形状関数
 まえがき
 [1] 関数と微係数が連続な補間関数
  A. 曲線要素と3次補間関数
  B. 3角形要素と5次補間関数
 [2] 3次の補間関数
  A. 1次元の場合
  B. 2次元の場合
  C. 3次元の場合
 [3] 単体座標と3次補間関数
  A. 線分座標
  B. 面積座標
  C. 体積座標
  D. n次単体座標
 [4] Hermiteの補間関数
  A. Lagrangeの補間関数
  B. 1次元のHermite補間
  C. 2次元のHermite補間
  D. 3次元のHermite補間
  E. 6次元のHermite補間
  F. Hermite補間関数
 第11章のまとめ
【第12章】ベクトル形状関数
 まえがき
 [1] 単体要素と単体座標
  A. 単体要素と単体座標
  B. 単体の大きさ
  C. 単体の分割と単体座標
  D. Cartesian座標との関係
 [2] 単体要素と形状関数
  A. 補間多項式
  B. 形状関数
  C. 微分演算子の定義
  D. 有限微分演算子の求め方
  E. 自然基底ベクトルの計算
 [3] 単体要素とベクトル形状関数
  A. 3角形要素に対するベクトル形状関数
  B. 4面体要素に対するベクトル形状関数
 [4] node.edge.facet
  A. 節点要素・辺要素・面要素
  B. ベクトル形状関数の概念
  C. ベクトル形状関数
  D. ベクトル境界要素
 [5] ベクトル形状関数の作り方
  A. ベクトル形状関数の作り方
  B. 辺ベクトル形状関数
  C. 面ベクトル形状関数
 第12章のまとめ
付録・索引
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