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半導体および絶縁体へのイオン注入技術
本書の特色
  1. 半導体や絶縁体へのイオン注入について、基礎から最近の応用技術まで系統的に幅広く記述した。
  2. イオンと個体の相互作用やシリコンプロセスにおけるドーピングと熱処理など、既存の書籍に詳しい領域との重複はできる限り避けた。
  3. イオン注入による表層変化を、
    a)イオンと固体の相互作用および欠陥が関与した結晶/非晶質、準安定結晶/安定結晶あるいは非晶質準安定相/非晶質準安定相の間の相変換との観点、
    b)導入した不純物の固溶と分相の観点から整理し、系統的に記述した。
  4. イオンと各種材料の衝突による欠陥の生成と拡散、消滅を基礎として、イオン照射による非晶質化やイオンビームにより低温で誘起されるエピタキシャル結晶成長を系統的・統一的に記述した。
  5. ガラスへのイオン注入に関して、チャージアップとその影響、構造変化、表面平坦化、応力による変形、アルカリ金属の選択損失、注入イオンの化学結合に及ぼすガラス組成の効果等を紹介した。
  6. 導入した不純物が固溶する場合について、透明酸化物や常温常圧では準安定な結晶系(ダイヤモンド、6H-SiC)のp-n価電子制御を目的としたドーピングを例に取り上げ、それらについて系統的に紹介した。
  7. 導入した不純物が固溶限を越える場合について、その挙動を表面偏析、埋め込み微粒子の形成、埋め込み層の形成に分け、整理分類して具体例を詳述した。
著 者   大吉啓司  独立行政法人物質・材料研究機構物質研究所
体裁/価格 体 裁:B5判 150ページ
定 価:本体3,000円+税
発刊日:2003年3月25日
発 行:アイピーシー出版部
コードNo. 932
発刊にあたり
 本書の役割は、シリコンプロセスにおけるドーピングの一手法として発達してきたイオンビーム技術、特にイオン注入技術について、半導体・絶縁体材料の分野における位置付けと役割を展望することにあり、基礎的な事項から最新の応用技術に至るまで幅広く網羅している。ただし、イオンと固体の相互作用やシリコンプロセスなど既出の本に詳しい部分はそれらとの重複を避けるために説明を割愛した。本書はこの分野を専門とする大学院の学生や研究者を対象として執筆された。それゆえ精読には固体物理学や一般化学の基礎知識を必要とする。また、理解を深めるために有効な参考文献を可能な限り列記した。
 本書の内容について、現在論文等で提供されているデータを駆使し、多少の正確さは犠牲にしても現象の概念が把握できる様配慮した。特に、半導体・絶縁体へのイオン注入における欠陥の生成・拡散・消滅の観点から様々なデータを鳥瞰し、イオンビームにより誘起される界面結晶化や界面非晶質化など様々な現象を統一的に解説することを心掛けた。さらに、ダイヤモンドなどの準安定結晶相へのドーピング、透明酸化物の価電子制御、表面偏析、微粒子の形成とその理論的取り扱い、埋め込み化合物層の形成、ガラスへのイオン注入の諸効果、準安定相の形成など、この分野の要点を系統的に把握するに十分な内容を含むものと考えている。本書がイオンと固体の相互作用によって生じる多様な現象の理解に役立ち、新たな応用技術を生む一助ともなれば幸いである。
 本書は、イオン注入に従事する研究者や技術者を対象として執筆し、ご自身の専門領域の周辺を見渡して視野を広げる一助とすること、あるいはこの分野での仕事を検討ないし開始している大学院の学生や技術者が全体を展望することを念頭に置いて執筆した。それゆえ、半導体や絶縁体へのイオン注入に関して基礎から最近の応用に至るまで幅広く網羅した。ただし、イオンと固体の相互作用やシリコンプロセスにおけるドーピングと熱処理など、従来出版されている書籍に詳しい分野との重複はできる限り避けた。また、現在も理解が十分ではない分野、たとえばイオンビーム誘起結晶成長とイオンビーム誘起界面非晶質化やその他の諸分野について、できる限り統一的な視点で解説することを心掛けた。
主な内容目次
1. 序説
 1.1 イオン注入技術の概説
 1.2 エネルギーに依存したイオンの挙動
 1.3 イオンと固体の相互作用
  1.3.1 電子阻止能と核阻止能および熱スパイク
  1.3.2 注入イオン、欠陥、電子的・核的エネルギー付与の分野
  1.3.3 モンテカルロシミュレーションを用いた計算の例
2. 照射欠陥の生成と消滅に基く現象
 2.1 増速拡散
  2.1.1 欠陥生成が関与した増速拡散機構
  2.1.2 電子動起セイオン化が関与した増速拡散機構
 2.2 照射耐性(非晶質化)の物質依存性
 2.3 イオンビーム誘起エピタキシャル結晶成長とイオンビーム誘起界面非晶質化
  2.3.1 SiのIBIECの特徴と機構
  2.3.2 IBIIAの特徴と機構
 2.4 SiのIBIECの応用
 2.5 Siのイオンビーム誘起結晶核生成
 2.6 各種材料のIBIEC
  2.6.1 1 GaAs
  2.6.2 2 Inp
  2.6.3 3 BP
  2.6.4 4 SiC
  2.6.5 5 AI203
  2.6.6 6 SrTiO3
3. 価電子制御を目的とする不純物のイオン注入
 3.1 起材欠陥の生成とドーパントの活性化
  3.1.1 ダイヤモンド
  3.1.2 SiC
 3.2 イオン注入による透明酸化物の導電性制御
4. ガラスへのイオン注入効果
 4.1 チャージアップの影響と抑制
 4.2 構造変化、応力と構造緩和
 4.3 ガラス表面の形態変化および形状変化
  4.3.1 表面形態の変化
  4.3.2 形状変化
 4.4 アルカリの選択損失
 4.5 ガラス組成が注入元素の化学結合状態に与える影響
5. 固溶限を越えた不純物の導入
 5.1 表面偏析
  5.1.1 不純物のイオン半径および生成熱と表面偏析
 5.2 埋め込み微粒子の形成
  5.2.1 シリカガラスへの金属イオン注入による微粒子の形成
  5.2.2 シリカガラスへのSiイオン注入によるSi微粒子の形成と発光
  5.2.3 SiへのFeイオン注入によるFeSi2微粒子の形成
  5.2.4 オストバルト成長を基礎とする微粒子の成長過程
  5.2.5 二重イオン注入による化合物微粒子および核/穀二層微粒子の形成
  5.2.6 新しい現象
 5.3 埋め込み層の形成
  5.3.1 シリカガラスへの共注入による埋め込み化合物層の形成
  5.3.2 絶縁基板上への単結晶Si膜の形成(SOI(silicon on insulator)技術)
6. 相変換制御
 6.1 準安定相から安定相への変換
 6.2 準安定相の生
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