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環境に優しい持続可能な化学
グリーンケミストリー入門
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"環境に優しい持続可能な発展を望める化学と化学技術"、 グリーンケミストリーとは如何なる化学をいうのであろうか。
生産性や効率を優先したこれまでの化学や化学工業と異なり、 自然のエネルギーを用いて環境に負荷を与えず環境に調和し無害で安全な、 そして有害物を使用したり造らない化学と化学合成、
化学反応設計を目指すものであると我々は考えている。 例えば、 2000年代のエネルギー源としてクリーンな水素が考えられているが、 現在の化学工業技術では1トンの水素を生産するのに7トン以上の二酸化炭素を放出しなければならない。
グリーンケミストリーの立場からは、 このような形での水素の製造は許されないであろう。 したがって、 緑色植物が太陽の光を用いて行っている光合成のように、 クリーンで無尽蔵の太陽光と触媒化学技術を駆使し水を完全分解して水素を製造する化学技術の開発が切望される。
環境に調和した光合成型の光化学プロセスの実現を目指す化学と化学技術を探求・発展させることが重要となる。
"環境に優しい持続可能な発展を望める化学と化学技術"、 "有害な物質を造らないグリーンケミストリー"とは何かを、 環境、 エネルギー、 環境化学、 応用化学、
反応工学などに興味を持っておられる方なら誰でも理解できるよう平易にまとめたものである。 (編集委員会) |
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著者 |
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大阪府立大学 大学院工学研究科
安保 正一 岩倉 千秋
白井 正充 高田 十志和
角岡 正仏 中原 武利
水野 一彦 |
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体裁/価格 |
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B5判 140ページ 上製本
定価/本体16,000円+税
発行日/2000年4月27日
コードNo. 794 |
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第1章太陽光の化学的利用と環境保全 安保正一 |
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| 環境に優しいクリーンで無尽蔵の太陽光エネルギーを環境保全とエネルギー創製に向け如何に有効に利用するかは、 人類の生存に係わる重要な課題である。
酸化チタンに代表される光触媒は太陽光の照射下、 常温常圧で大気中の汚染物質窒素酸化物を分解除去したり、 水に溶解しているダイオキシンなどの有害有機物質を水と二酸化炭素にまで完全分解し、
無害化することのできる作用を持ち環境調和型触媒として環境浄化に大きな期待が寄せられている。 また、 酸化チタンの優れた機能を利用し新規で簡便な太陽電池創製への大きな期待についても解説する。
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第2章水素エネルギー (製造、 貯蔵の応用) 岩倉千秋 |
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| 水素は、 たとえば、 水の電気分解によってつくられ、 燃料電池を用いて酸素と電気化学反応させると元の水に戻るとともに電気エネルギーを取り出すことができる。
このように、 水素はクリーンエネルギーそのものである。 最近、 常温常圧付近で自分の体積の1000倍以上もの水素を容易に吸蔵したり放出したりする合金 (これを水素吸蔵合金という)
の研究開発が盛んである。 これは水素自動車や電気自動車などにも応用できる。 未来のクリーンエネルギーと言われた水素も手の届きそうなところまで来ている。 |
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第3章化学合成におけるグリーンケミストリー 水野一彦・高田十志和 |
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| 医薬、 農薬をはじめとする様々な有機化学薬品、 あるいは塗料、 ゴム、 さらにはプラスチック等の有機化学製品は多様な原料からいろいろな合成プロセスを経て生み出される。
これまでコストや効率を最優先にして決められてきた製品や製造プロセス設計に 「環境負荷」 のファクターを入れ、 製品そのものの性能や安全性に加えて、 省エネルギー、
省資源、 少廃棄物、 安全性、 リサイクル性等に配慮した製造プロセスに必要な技術を開発する必要がある。 この章では、 主に有機化学薬品・製品における安全性と環境に配慮した製造プロセス開発の概念と要点について解説する。
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第4章環境に優しい高分子 (造り方と使い方) 角岡正仏・白井正充 |
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| 身の回りで日常的に大量に使われている高分子材料 (プラスチックス) は、 廃棄処理の方法を誤ると環境破壊をもたらし、
我々に大きな害を及ぼすやっかいなものである。 したがって、 使用ずみ高分子を再利用して廃棄量を減らすことや、 高分子の機能・性能を向上させ使用量を減らすこと、
また廃棄処理のいらない高分子を開発・利用することなどを考えなければならない。 このような観点から、 本章では汎用プラスチックスのリサイクルや生分解性高分子などの話題を取り上げ、
そこに含まれる化学と技術について解説する。 |
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第5章化学計測とグリーンケミストリー 中原武利 |
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| グリーンケミストリーでは、 「測れなければ、 制御できない」 の精神のもとに、 プロセス計測の開発が不可欠である。
例えば、 進行中の合成プロセスを 「その場」 で変えるには、 正確で信頼性の高いセンサーやモニター、 さらに計測技術を駆使して、 「いまそこにある危険」 を感知できなければならない。
また、 斬新な計測技術を組み込み、 かつリアルタイムに適用できれば、 グリーンケミストリーの目的は達成される。 このようなグリーンケミストリーに役立ち、 またそれを実践できる化学計測学を概説する。
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【第1章】太陽光の化学的利用と環境保全 |
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1.1 環境に優しい太陽光エネルギー
1.2 光触媒を用いた太陽光の化学的エネルギーへの変換(光触媒はどのように働くのか)
1.3 太陽光と光触媒を利用する環境保全への道
1) 水の完全分解による水素の製造
2) 二酸化炭素の水による還元固定化(人工光合成)
3) 窒素酸化物で汚染された空気の清浄化
4) 住環境での汚れや悪臭物質の分解除去
5) ダイオキシンなどの有害物質で汚染された水の無害化・清浄化
6) 曇らなく汚れないクリーンなアメニーティー空間を創る
1.4 太陽光を有効に利用できる新しい光触媒とクリーンなエネルギー創製
1) 可視光で働く光触媒開発の意義と重要性
2) 新しいタイプの太陽電池開発への期待
1.5 太陽光を利用する新しい化学技術の今後の展開と期待 |
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【第2章】環境に優しい水素エネルギー その製造、 貯蔵および利用 |
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2.1 エネルギーの変換と貯蔵
2.2 電気エネルギーの貯蔵と水素エネルギー
2.3 水素の製造法
1) 水の電気分解
2) 水の熱分解
3) 水の光分解
2.4 水素吸蔵合金を用いる水素の貯蔵
1) 水素吸蔵合金とは
2) 水素吸蔵合金放出反応
3) 水素吸蔵合金の水素吸蔵・放出特性
2.5 水素吸蔵合金のエネルギー変換機能と応用例
1) 水素吸蔵合金のエネルギー変換機能
2) 化学エネルギーと熱エネルギーの相互変換
3) 化学エネルギー熱エネルギーと機械エネルギーの相互変換
4) 化学エネルギー電気エネルギーの相互変換
5) 水素吸蔵合金のその他の応用例 |
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【第3章】化学合成におけるグリーンケミストリー |
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3.1 化学合成におけるグリーンケミストリー
3.2 化学合成において考慮すべき環境負荷特性
1) 有機化学薬品 (化合物・製品) に求められる環境負荷特性
2) 有機化学薬品・製品の製造原料に求められる環境負荷特性
3) 有機化学薬品・製品の製造プロセスに求められる環境負荷特性
3.3 合成反応の種類と特徴
1) 副生成物・廃棄物の少ない合成反応:アトムエコノミーの高い反応
2) 副生成物・廃棄物の多い合成反応:アトムエコノミーの低い反応
3.4 化学合成におけるグリーンケミストリーの実例
1) バイオマスを利用する合成
2) アトムエコノミーを考慮した合成
3) 環境に優しい溶媒を使う合成
(1) 水を溶媒に使う
(2) 超臨界流体を溶媒に使う
4) 有毒物を使わない合成
(1) 二酸化炭素を用いるイソシアナートの合成
(2) ジメチルカーボナートを用いるメチル化反応
5) 遷移金属錯体を用いる酸化反応
(1) 過酸化水素水を用いるアルコールおよびオレフィンの酸化
(2) シクロヘキセンの酸化によるアジピン酸 の合成
6) 光を用いる合成
7) 水の中で行う光を用いる反応
8) 溶媒を用いない合成
9) 生体触媒を用いる合成
10) ロボット自動合成:コンビナトリアルケミストリー
3.5 未来の化学合成 |
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【第4章】環境に優しい高分子材料(造り方と使い方) |
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4.1 グリーンケミストリーから見た高分子の合成
1) 汎用高分子の合成プロセスの工夫
2) 酵素を利用する高分子合成
3) 生分解性高分子の合成
(1) 微生物による合成
(2) 生分解性高分子の化学合成
(3) 天然高分子の化学修飾と利用
4.2 プラスチックとリサイクル
1) 高分子とプラスチック
2) プラスチックのリサイクルと再利用
3) 生分解性プラスチック
(1) 天然高分子と合成高分子
(2) 光分解性プラスチック
(3) 生分解性プラスチック (微生物分解性) |
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【第5章】化学計測とグリーンケミストリー |
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5.1 化学センサー
1) 化学センサー
2) 測定の基礎
3) バイオセンサー
(1) 原理
(2) 酵素固定化バイオセンサー
(3) バイオセンサーの例
4) イオンセンサー
(1) イオンの選択性電極
(2) ガラス膜型イオンセンサー
(3) 固体膜型イオンセンサー
(4) 液状イオン変換体膜型イオンセンサー
(5) ニュートラルキャリアー膜型イオンセン サー
(6) ISFETセンサー
5.2 超臨界流体クロマトグラフィー
1) 超臨界流体
2) 超臨界流体クロマトグラフ
3) 材料注入法
4) 検出器
5) 複合分析法
6) 応用例
5.3 超臨界二酸化炭素による金属の抽出・分離
1) 超臨界二酸化炭素
2) 水溶液中の金属イオンのSF-CO2抽出
3) 固体試料からの金属のSF-CO2抽出 |
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