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微量成分の分離と濃縮
−基礎理論と開発・応用−
本書の特色
  1. 微量成分の分離濃縮に関する現象を十分理解できるように、分析化学の基礎的原理を詳述している。
  2. 金属イオンを分離濃縮するためのキレート試薬の構造式や特性について記述した。 
  3. 基本的な概念が解説されているので、関連分野で新しい分析法を開発するときの貴重なヒントになる。 
  4. 著者等が開発した新しい分離濃縮/定量法の原理や応用例、文献などが多数挙げられている。 
  5. ナフタレン抽出、吸着およびカラム法のそれぞれの特性を、表およびグラフを用いて詳述している。これらの特性がベンゼンやクロロフォルムなどを用いる溶媒抽出法のそれらと比較検討している。 
執筆者(執筆順) 御堂 義之 神戸大学理学部化学科助手 笠原 一世 富山大学理学部生物圏環境科学科助教授
林   康久 上越教育大学自然科学系教授 斎藤 恵逸 神戸大学発達科学部人間環境科学科助教授
田口   茂 富山大学理学部生物圏環境科学科教授 佐竹 正忠 福井大学工学部生物化学工学科教授
堀田 紀好 福井大学工学部材料化学科教授
体裁/価格 B5判、上製本、480頁
定 価:本体38,000円+税
コードNo. 779
発刊にあたり
近年、最新の高性能分析機器を用いた分析的応用研究がめざましい。いきなり最新鋭の機器を全面的に信頼して、分析を行わなければならない事態がある。しかし、試料の調製や取り扱いなど誤った操作から選られたデータは、いかに優れた機器を用いようとも、信頼性の乏しいものである。このような観点から、本書の前半では、分析化学の基礎的原理や法則を解説している。
 本書は、金属イオンや陰イオンなど微量成分の分離濃縮について、基本的な研究と技術の問題から、著者らによって開発された最新の研究までを網羅するものである。著者らによって開発されたメンブランフィルターやナフタレンを用いる方法は、従来の方法とはかなり異なった分離濃縮法ではあるが、微量成分を簡便かつ迅速に分析できる利点をもつ優れた方法である。さらに、吸光光度法、原子吸光光度法や発光分光分析法などの手段を併用することにより、環境試料や工業材料中の微量成分を正確かつ効率よく分析することできる。 
 このような分離濃縮法に興味をもつ研究者に、基礎的原理から有機試薬を用いる微量成分の分離濃縮と定量分析の問題までを、理解しやすいように多くの図や表を用いて、平易な文章で懇切丁寧に解説してものである。本書が企業、研究機関や大学における研究開発の一助となれば幸いである。
目次
【第1章】分析化学の基礎
 1.1 分析化学の基礎概念
  1.1.1 分析化学の概要
  1.1.2 微量分析と微量成分
  1.1.3 SI単位系
  1.1.4 溶液の濃度表示
  1.1.5 pHの定義および水の電離
  1.1.6 化学結合
  1.1.7 水による物質の溶解
 1.2 化学平衡
  1.2.1 質量作用の法則と平衡定数
  1.2.2 ギブスの自由エネルギーと化学ポテンシャル
  1.2.3 活量,活量係数および平衡定数
  1.2.4 平衡定数とイオン強度
 1.3 酸と塩基の平衡
  1.3.1 酸と塩基の定義
  1.3.2 酸および塩基の強さと酸解離定数
  1.3.3 酸および塩基の溶液
  1.3.4 緩衝溶液
  1.3.5 化学種濃度の図式的解析
 1.4 金属キレート化合物
  1.4.1 金属イオンと配位数
  1.4.2 配位子
  1.4.3 金属錯体と金属キレートの命名法
  1.4.4 原子価結合の理論−錯体の立体構造
  1.4.5 結晶場理論−d電子軌道の分裂
  1.4.6 配位子場理論
 1.5 金属錯体の溶液内イオン平衡
  1.5.1 酸としての金属イオン
  1.5.2 金属錯体の生成定数
  1.5.3 金属キレートの生成−緩衝溶液が共存しない場合
  1.5.4 金属キレートの生成−緩衝溶液が共存する場合
【第2章】光を用いる分析法
 2.1 電磁波の性質と物質との相互作用
  2.1.1 電磁波の分類と波動性
  2.1.2 電磁波の粒子性
  2.1.3 電磁波と物質との相互作用
 2.2 吸光光度法
  2.2.1 可視光の吸収と余色
  2.2.2 吸収スペクトル
  2.2.3 分光光度計
  2.2.4 Lambert-Beerの法則
  2.2.5 検量線法と標準添加法
  2.2.6 酸解離定数および金属キレートの結合比の決定
 2.3 反射吸光光度法
 2.4 原子吸光光度法
  2.4.1 原子のエネルギー準位図
  2.4.2 原子数, 吸光度と原子の濃度
  2.4.3 原子吸光光度計
 2.5 発光分光分析
  2.5.1 概要と原理
  2.5.2 発光分光分析装置
  2.5.3 ICP発光法による定量分析
  2.5.4 誘導結合プラズマイオン源−質量分析法
  2.5.5 原子吸光分析法,ICP発光分光光度法およびICP−MS法の感度比較
【第3章】有機試薬
 3.1 金属キレートの分類
  3.1.1 陽イオン型金属キレート
  3.1.2 無電荷型金属キレート
  3.1.3 陰イオン型金属キレート
 3.2 キレート試薬
  3.2.1 N,N配位のキレート試薬
  3.2.2 O,O配位のキレ−ト試薬
  3.2.3 O,N配位のキレート試薬
  3.2.4 S,N配位のキレート試薬
  3.2.5 SとS,SとN,SとO配位のキレート試薬
  3.2.6 多核環配位
 3.3 イオン対結合
 3.4 マスキング剤
 3.5 金属指示薬
 3.6 高感度比色試薬
 3.7 ポルフィリン群(Porphyrins) 
 3.8 クラウンエーテル
 3.9 陽イオン色素と陰イオン色素
【第4章】溶媒抽出法の分析化学への応用
 4.1 溶媒抽出の基礎
  4.1.1 溶媒抽出法
  4.1.2 溶媒抽出法の特徴
  4.1.3 バッチ抽出法
 4.2 分配平衡および抽出平衡
  4.2.1 同一分子種の分配−ギブスの相律と分配係数
  4.2.2 有機酸の溶媒抽出:酸二量体と酸解離
  4.2.3 オキシンの抽出平衡
  4.2.4 金属キレートの溶媒抽出
  4.2.5 半抽出pH
  4.2.6 抽出率
  4.2.7 多段階抽出
 4.3 イオン対抽出
  4.3.1 イオン対抽出の基礎
  4.3.2 イオン対抽出平衡と抽出定数の測定
  4.3.3 対イオンとしての配位子置換不活性錯イオン
  4.3.4 イオン対抽出系の設計―固有抽出定数の概念
  4.3.5 抽出性に及ぼす対イオンの置換基の影響
  4.3.6 抽出溶媒
 4.4 配位子置換不活性錯イオンを対イオンとするイオン対抽出の応用
  4.4.1 陰イオン界面活性剤の吸光光度定量
  4.4.2 陽イオン界面活性剤の吸光光度定量
  4.4.3 テトラフルオロホウ酸イオンの抽出吸光光度定量
 4.5 クラウン化合物による金属イオンの抽出分離
  4.5.1 クラウンエーテルによる金属イオンの溶媒抽出
  4.5.2 クラウンエーテルによる金属イオンの分離・定量
  4.5.3 クラウンエーテルの機能性試薬の開発と金属イオンの溶媒抽出
 4.6 チアクラウン化合物による金属イオンの抽出分離
  4.6.1 チアクラウンエーテルによる金属イオンの溶媒抽出
  4.6.2 チアクラウンエーテルによる金属イオンの分離・定量
  4.6.3 チアクラウンエーテルの機能性試薬の開発と金属イオンの溶媒抽出
【第5章】固相抽出による微量成分の濃縮と定量
 5.1 カラムを用いる固相抽出の基礎
  5.1.1 装置と基本操作
  5.1.2 カラムによる固相抽出の特徴
  5.1.3 疎水性吸着剤の種類
  5.1.4 疎水性吸着剤による捕集の機構
 5.2 カラムを用いる微量成分の濃縮と定量
  5.2.1 オクタデシル化ガラスビーズの利用
  5.2.2 スチレン−ジビニルベンゼン共重合体あるいはODSを用いるチウラムの濃縮/高速液体クロマトグラフィー定量
  5.2.3 ポリプロピレンを用いる海水,河川水中のリンの濃縮/吸光光度定量
 5.3 膜による固相抽出の基礎
  5.3.1 膜による分離
  5.3.2 メンブランフィルターによる固相抽出
  5.3.3 メンブランフィルターによる捕集の機構
 5.4 メンブランフィルターを利用する微量成分の濃縮と定量
  5.4.1 可溶性メンブランフィルターを用いる方法
  5.4.2 フィルターからの溶出を利用する方法
  5.4.3 フィルターに捕集したまま測定する方法
  5.4.4 平衡論からみたフィルターによる捕集挙動の取り扱い
 5.5 固相抽出の新しい展開
  5.5.1 ODSを分散させたPTFE膜の利用
  5.5.2 マイクロ固相抽出法(Solid-Phase Microextraction,SPME)
 5.6 おわりに
【第6章】ナフタレンを抽出剤として用いる金属の分離と濃縮
 6.1 ナフタレン抽出の一般実験操作と特徴
 6.2 オキシン(Oxine)とその誘導体を用いる金属のナフタレン抽出
 6.3 N,O-配位,O,O-配位キレート試薬を用いる金属のナフタレン抽出
 6.4 S,S-配位,N,S-配位キレート試薬を用いる金属のナフタレン抽出
 6.5 α-ジオキシム類を用いる金属のナフタレン抽出
 6.6 イオン会合錯体を利用する金属のナフタレン抽出
【第7章】ナフタレンを吸着剤として用いる金属の分離と濃縮
 7.1 ナフタレン吸着法と一般実験操作法
 7.2 オキシンとオキシン誘導体を用いる金属のナフタレン吸着
 7.3 N,O-配位,O,O-配位のキレート試薬を用いる金属のナフタレン吸着
 7.4 S,S-配位,N,S-配位のキレート試薬を用いる金属のナフタレン吸着
 7.5 α-ジオキシム類を用いる金属の吸着
 7.6 イオン会合錯体を利用する金属のナフタレン吸着
【第8章】カラムを用いる金属と陰イオンの分離と濃縮
 8.1 ナフタレン捕集剤の特徴と分離カラム
 8.2 水に難溶性キレート試薬をナフタレンに担持した捕集剤を用いる金属のカラム分離
 8.3 プロトン化キレート試薬と大きな陰イオン(TPB−)とのイオン対をナフタレンに担持した捕集剤を用いる金属のカラム分離
 8.4 キレート試薬陰イオンと大きな陽イオンとのイオン対をナフタレンに担持した捕集剤を用いる金属のカラム分離
 8.5 小さな陽イオンと大きな陰イオンとからなる捕集剤[NH+4][TPB−](Naph)を用いる金属のカラム分離
 8.6 大きな陽イオンと小さな陰イオンとからなる捕集剤[TDBA+][X−](Naph)を用いる金属のカラム分離
 8.7 陰イオンのカラム分離
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